産後に骨盤が歪むのはなぜ?リラキシンとの関係を症例とともに解説

2026年09月20日

出産後、

「骨盤が広がった気がする」
「左右のバランスが変わった」
「腰痛や股関節の痛みが出てきた」
「産前のズボンが入りにくくなった」

と感じる方は少なくありません。

産後にこうした変化が起こる背景には、妊娠・出産に伴うホルモンの変化、腹部や骨盤周囲の筋力低下、姿勢の変化、抱っこや授乳などの育児動作が関係しています。

その中でもよく耳にするのが「リラキシン」というホルモンです。

今回は、ハンズ鍼灸接骨院 小牧院が、産後に骨盤のバランスが崩れやすくなる理由とリラキシンの関係について、実際の症例を交えながら分かりやすく解説します。


そもそも「骨盤が歪む」とは?

「骨盤が歪む」という言葉はよく使われますが、実際に骨盤の骨そのものが大きく曲がったり、簡単にズレたりするわけではありません。

一般的に産後の「骨盤の歪み」と呼ばれている状態には、

  • 骨盤周囲の筋肉の左右差
  • 骨盤を支える筋力の低下
  • 姿勢の崩れ
  • 股関節や仙腸関節周囲への負担
  • 左右どちらかに体重をかけるクセ
  • 骨盤底筋や腹筋群の機能低下

などが複合的に関係しています。

妊娠中から出産後にかけては身体の環境が大きく変化するため、骨盤周囲の安定性や身体の使い方も変わりやすくなります。

産後骨盤矯正についてはこちら


産後の骨盤と「リラキシン」の関係

リラキシンは、妊娠中に分泌されるホルモンの一つです。

妊娠中は、赤ちゃんの成長や出産に対応できるよう、骨盤周囲をはじめとした靱帯や関節の柔軟性が高まります。

米国産婦人科学会(ACOG)も、妊娠中に分泌されるホルモンによって、骨盤を支える靱帯がゆるみ、関節の柔軟性が高まることを説明しています。

つまり、リラキシンを含む妊娠中のホルモン変化は、出産に備えて身体を柔軟にするための正常な生理的変化です。

一方で、関節や靱帯の柔軟性が高まることで、骨盤周囲の筋肉にはより大きな安定性が求められるようになります。


「リラキシンが多い=骨盤が歪む」ではありません

ここは非常に重要です。

リラキシンが骨盤周囲の靱帯の柔軟性に関係することは知られていますが、リラキシンの量が多い人ほど骨盤が歪む、あるいは骨盤痛が強くなると単純に言い切ることはできません。

妊娠関連の骨盤帯痛とリラキシン濃度の関係を調べたシステマティックレビューでは、両者の関連を裏付けるエビデンスは限定的とされています。

そのため、

「産後の骨盤の不調=すべてリラキシンが原因」

と考えるのではなく、

  • ホルモン変化
  • 妊娠による体重増加
  • 重心位置の変化
  • 腹筋群の伸張
  • 骨盤底筋への負担
  • 出産時の身体への負担
  • 産後の抱っこや授乳姿勢

などを総合的に考えることが大切です。


なぜ産後は骨盤のバランスが崩れやすいの?

① 妊娠中に重心が変化する

お腹が大きくなるにつれて身体の重心が前方へ移動します。

その結果、

反り腰 → 骨盤前傾 → 腰や股関節への負担増加

という状態になりやすくなります。

ACOGも、妊娠中は子宮の拡大による重心変化や腹筋の伸張によって姿勢が変化し、腰や関節への負担が増えると説明しています。


② 腹筋や骨盤底筋が弱くなる

妊娠中はお腹が大きくなることで腹部の筋肉が伸ばされます。

また、妊娠・出産によって骨盤底筋にも大きな負担がかかります。

これらの筋肉は、身体の中心で骨盤や背骨を安定させる重要な役割を持っています。

そのため産後に筋力や機能が低下すると、腰や骨盤周囲の筋肉が必要以上に頑張らなければならなくなり、

  • 腰痛
  • 骨盤周囲の痛み
  • 股関節の違和感
  • 姿勢の崩れ

につながることがあります。

産後の腰痛とインナーマッスル強化について


③ 抱っこや授乳で左右差が生まれる

産後は毎日のように、

  • 抱っこ
  • 授乳
  • おむつ交換
  • 添い寝
  • ベビーカーの乗せ降ろし

などを繰り返します。

特に、

「いつも右側で抱っこする」

「片足に体重をかけて立つ」

といったクセが続くと、左右の筋肉の使い方に差が生じます。

これが、産後に「骨盤が歪んだように感じる」大きな要因の一つです。


【症例紹介】産後3か月から腰痛と骨盤周囲の違和感が強くなった30代女性

※患者様のプライバシー保護のため、一部内容を変更しています。

来院時のお悩み

30代女性。出産後3か月頃から、

  • 抱っこをすると腰が痛い
  • 立っていると片側の骨盤周囲が重い
  • 仰向けから起き上がる時に腰がつらい
  • 産前と比べて姿勢が変わった気がする

という症状があり、ハンズ鍼灸接骨院 小牧院へ来院されました。

身体の状態を確認すると

姿勢や動作を確認したところ、

  • 骨盤周囲の筋緊張に左右差
  • 腹部の筋力低下
  • 股関節周囲の柔軟性低下
  • 抱っこの際に片側へ体重をかけるクセ

がみられました。

そこで、骨盤周囲だけを見るのではなく、腰・股関節・腹部・姿勢まで含めて身体全体のバランスを確認。

負担の大きい筋肉を整えながら、骨盤周囲の安定性を高める施術と、日常生活で行える簡単なエクササイズをお伝えしました。

施術を重ねる中で、

「抱っこをした時の腰痛が楽になった」

「立っている時の左右差を感じにくくなった」

など、日常生活での変化がみられるようになりました。


【Q&A】産後の骨盤とリラキシンについて

Q1.産後に骨盤が歪むのはリラキシンが原因ですか?

A.リラキシンだけが原因ではありません。

理由:
妊娠中のホルモン変化によって靱帯や関節の柔軟性が高まることはありますが、産後の骨盤周囲の不調には、筋力低下や姿勢、育児動作なども関係するからです。

具体例:
片側での抱っこを繰り返すと、骨盤周囲や股関節の筋肉に左右差が生じ、腰痛や違和感につながることがあります。

結論:
産後の骨盤は、ホルモンだけでなく身体全体のバランスを見ることが重要です。


Q2.産後の骨盤矯正はいつから受けられますか?

A.産後の回復状態には個人差があるため、出産方法や身体の状態を確認して判断することが大切ですが1ヶ月検診が無事に終わっていれば受ける事ができます。

特に産後間もない時期や、帝王切開後、強い痛み・出血・発熱などがある場合は、まず産婦人科医へ相談してください。

身体の回復状況を確認した上で、無理のない範囲からケアを始めましょう。


Q3.産後の腰痛も骨盤が原因ですか?

A.骨盤周囲の状態が関係することはありますが、それだけとは限りません。

産後の腰痛には、

  • 腹筋の筋力低下
  • 抱っこや授乳姿勢
  • 睡眠不足
  • 股関節の硬さ
  • 長時間の前かがみ姿勢

など、さまざまな要因が関係します。

そのため、腰だけでなく骨盤・股関節・姿勢・身体の使い方まで確認することが大切です。


産後の骨盤は「整える+支える」ことが大切

産後の身体は、妊娠前とは大きく状態が変化しています。

だからこそ大切なのは、

骨盤を整えることだけではなく、骨盤を支えられる身体をつくること。

ハンズ鍼灸接骨院 小牧院では、

  • 姿勢
  • 骨盤周囲の筋肉
  • 股関節の動き
  • 腹部の筋力
  • 左右の身体の使い方

などを確認しながら、一人ひとりの身体の状態に合わせて施術を行います。

産後の腰痛や骨盤周囲の違和感、

「身体のバランスが変わった気がする」

「抱っこや授乳で腰がつらい」

と感じている方は、我慢せずにご相談ください。

小牧市で産後骨盤矯正・産後の腰痛・骨盤周囲の不調にお悩みの方は、ハンズ鍼灸接骨院 小牧院へお気軽にご相談ください。

※強い骨盤痛、歩行困難、発熱、出血の増加、脚の強い腫れやしびれなどがある場合は、接骨院での施術より先に医療機関へご相談ください。

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